
感染を減らしていくために本堂准教授は、対策の優先順位を明確にすることが必要だといいます。
本堂 毅 准教授
「少なくともコロナの感染を減らすために徹底的に手を洗ったとしてもあまり減らないです。残念ながら。あるいは、どんなに消毒してもそこでは減りません」

「減らすためには換気とマスクです。その2つが一番優先だというのは世界的にもみなさん、共通していますので」
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― 取材した寺岡 俊 記者です。新型コロナはこれまで「飛まつや接触感染する」といわれてきたので、一生懸命、手を洗って消毒していますが、それよりも「換気」だと?

寺岡 俊 記者
「飛まつ感染はせきやくしゃみなどが直接、到達して感染することです。そのため、距離をとったり、パーティションで仕切ったり、直接当たらないようにしていました。一方で、空気感染というのは空気中に漂っているエアロゾルと呼ばれるウイルスを含んだ小さな粒子を吸い込むことで感染することです。

今回、取材をした本堂准教授は、WHO(世界保健機関)など世界的にも新型コロナの主な感染経路は空気感染だという科学的知見があると指摘します。この空気感染を前提に対策を立てないと、コロナの感染は減っていかない。そのために重要なことが換気とマスクの着用だということです」
― パーティションがなくてもいいというのも驚きだった。
寺岡 俊 記者
「パーティションは、飛まつを前提にした対策で、たとえば、煙やにおいはそういう仕切りがあっても伝わっていくので、空気感染の予防効果は薄いということです」
― ひとことに換気といってもやり方はさまざま。どういったやり方がいい?
寺岡 俊 記者
「空気の流れを作ることが重要です。窓や扉だったり2つ開けて、空気の通り道を作ってあげる。空気を外に押し出すように、外に向けて扇風機を置いてもいい。そして、換気は30分に1回など定期的に行うのではなく、常に、常時、換気していることが重要だということです。

また、窓が1つでも、たとえばキッチンの換気扇を回すことで空気の流れをつくることができます。この場合、換気扇から遠い窓を開けます。換気が悪いところでは、空気清浄機を活用してもいいということです」
