今月15日。インフルエンザの定点医療機関あたりの患者報告数が全国平均「33.72人」と警報レベルの30人を上回りました。これは過去10年で最も早くなっています。

新型コロナウイルスが流行していた頃は感染対策を行っていたため、インフルエンザもあまり流行しませんでしたが、感染対策が緩くなったことで流行が急増傾向にあります。
感染者数が多くなることで懸念されるのが、重症化です。特にインフルエンザ脳症といった命に関わる症状が出る人が増える傾向にあるといいます。
命に関わるインフルエンザ脳症とはどのような病気なのでしょうか。

琉球大学病院 中西浩一副病院長
「インフルエンザに感染すると発熱するが、それに伴って鼻水が出たり、咳が出たりして体はそれを治そうとするために抵抗力が働きます。本来は病気を治すための抵抗力ですが、これが暴走すると、その影響が脳に出て、脳症を起こす。けいれんを起こしたり、意識障害、それから少しおかしな言動や行動などが脳症の症状の始まり」
本来、体にとって重要な抵抗力。この抵抗力が暴走することで脳が障害を受けて、最終的には命に関わるケースがあるといいます。
厚労省の調査では2019年にインフルエンザ脳症が確認されたのは254例あり、そのうち10歳未満の子どもが71%。毎年全国で100人から300人程度が発症し、このうち死に至るのはおよそ8から9%ということです。