性能が全く違うシューズも求めるのは素足の感覚

比嘉の足袋シューズを制作する、岡山県の足袋メーカー「丸五」の担当者も当初、足袋で競技をする姿に驚いたと言います。
㈱丸五 フットウェア事業部 日名 康訓さん
(Q実際に足袋を履いて試合に出る様子を見てどう思った?)
「ひとえに感動したというのが一番で、通常のウエイトリフティングシューズと全然形状が違うので」
一般的なウエイトリフティング用のシューズは2センチ前後のヒールがあることが特徴です。底は固く、曲げることはほとんどできませんが、比嘉の足袋型のシューズは…
世界ジュニア3位 比嘉成
「かかとはヒール無しで、もうグニャグニャに曲がる感じです。結構足の重心だったり、キャッチの時の感覚は足の裏が一番使っているので」

指や足全体を使える素足のような感覚を足袋に求めているという比嘉。一般的なシューズのヒールについて、父・敏彦さんはこんな見解を示します。
父・敏彦さん
「海外の選手は“足首が硬い”ので、海外の人が『かかと』を使ったのを日本人が真似したと勝手に思っていて、あえてつける必要もないですし。結局、股関節の股割りなどをできるようになれば済む話なので」
足首が硬い選手にとっては、しゃがむ姿勢を楽にする作用があるヒール。しかし足首や股関節の高い柔軟性を誇る比嘉は、ヒールが無くてもお尻がつきそうな低い位置でバーベルをキャッチし、挙げることができます。
さらに比嘉はこう語ります。
世界ジュニア3位 比嘉成
「自分のフォーム自体は“後ろにもたれる形”なので、ちょっとヒールがあると、もたれづらいというか」

父・敏彦さんが指導するフォームは、かなり特徴的なんです。