
八重山諸島の人々は、マラリアがまん延していた地域への強制疎開を命じられ、3600人あまりが命を落としました。「戦争マラリア」と呼ばれています。
田本徹さん(85)
「きょうは慰霊の日、6月23日ですからお参りに来ました。安らかにお眠りください。」
当時、家族で石垣島の於茂登岳のふもとへ疎開した、田本徹(たもとてつ)さん。6歳の妹はマラリアに感染して、命を落としました。

田本徹さん(85)
「母のあの時の泣き叫ぶ声が今も耳に残っておりますね。「静子、静子」と叫んで。」
その母親もマラリアで亡くなり、さらに生後4か月の弟は栄養失調でこの世を去りました。
疎開先では食料も底をつき、食べられそうなものは何でも口にしたといいます。
田本徹さん(85)
「セマルハコガメがありますね。あれを火にくべて食べることもありましたし。毎日が食べることに四苦八苦しているというか。」
戦争マラリアの追悼式に参加した田本さんは…。
田本徹さん(85)
「77年という長い歳月が過ぎて、昨日のような思いが私にはします。あまりにも不条理で罪のない人たちを悲惨な状況に追いやるという。だから本当に二度とこういうことはあってはいけない。」
「あり、おじいさんの名前のってるよ、覚えていて」
南風原町在住の女性(72)
「二度と戦争がないようにお願いしたいです。ウクライナも早くおさまって、世界が平和になりますようにお祈りしましょうね」


読谷村在住の女性(30代)
「戦争体験者が減っている中で、やっぱり私たち世代も伝えてくれたものをきちんと子どもたちに繋げていかないといけないじきになってきていると思う」
沖縄はきょう1日、鎮魂と平和への祈りに包まれます。