
梅雨に入り沖縄地方では梅雨前線や湿った空気の影響で局地的に激しい雨の降る日が続いています。31日は南城市で1時間におよそ110ミリの猛烈な雨が降り、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しました。
ここ数年、毎年のように全国で発生している豪雨災害。その要因となっているのが短時間で局地的に激しい雨を降らせる「線状降水帯」です。気象庁は、この「線状降水帯」の発生予測を1日からスタートさせました。
沖縄気象台 濱川防災係長
「線状降水帯が発生してしまうと危険度がかなり急激に高まってしまうというところがあって甚大な災害に繋がっていく。少しでも早めに(線状降水帯発生の)可能性を皆様にお伝えするというところで防災意識を一段階高めていただきたい」

「線状降水帯」とは次々と発生する積乱雲が列をなし、長時間にわたり同じ地域に大雨が降る現象です。気象庁では「線状に延びる長さが50キロから300キロ、幅は20キロから50キロ程度の強い降水を伴う雨域」と定義しています。
これは去年6月、沖縄本島地方で「線状降水帯」が発生した際の、雨雲レーダーの様子です。雨雲が次から次へと流れ込み線状に広がっています。

これまでは発生が確認されてからの発表でしたが、新たな予測情報では「線状降水帯」の発生が見込まれる半日から6時間前までに地方単位で発表します。気象庁は、将来的には県や市町村単位での発表を目指しているということです。
沖縄気象台 濱川防災係長
「将来的には地域の絞り込み、現在は沖縄全域のどこかでという形での発表になるが、それを徐々に絞り込んでいく。また今は(線状降水帯が)発生したという情報なんですが、30分前とか数時間前とか時間的なスケールもなるべく絞っていくような形で情報を進化させていく形で考えています」
予測の精度はまだ限定的なため、あくまで大きな災害に備えるための補足情報として活用してほしいとしています。

沖縄気象台 濱川防災係長
「この情報だけがすべてではない。線状降水帯というキーワードがひとり歩きしないように、これはあくまで補足するための情報ということになりますので全体的に気象台の方から発表される防災情報を確認いただいて防災対応をとって欲しい」
ではその線状降水帯の予測情報が発表された場合私たちはどう行動すればいいのかを考えます。

まず気象庁から「沖縄地方では線状降水帯が発生して大雨の危険度が高まる」といった予測情報が出された場合、私たち報道機関はその発生の可能性をニュースなどを通して情報として伝えます。同時に自治体は避難所開設の準備、手順や役割を確認し非常時への備えを行います。

その情報を受けて私たち一人ひとりはどう行動すればいいのか、いくつか確認して欲しいことがあります。まずは複数の避難場所・避難経路を想定することです。災害時、いつも通っている道が通れなくなる可能性もあります。どこにどのように避難するのか事前に確認しておきましょう。
そしてこれまでの大雨で浸水や土砂災害が起きた場所が自宅の周りにはないでしょうか。その危険性が高い場所を事前にハザードマップなどで確認してください。

気象台の濱川防災係長が話していたように予測精度にはまだ課題もあります。予測情報が出されても実際には線状降水帯が発生しないことも考えられます。ただ、いずれにしても警報級の大雨になる可能性は高いということですのでこの予測情報が出た場合はしっかりと備えるようにしましょう。