総額で200億円を超える不正融資が発覚している福島県いわき市のいわき信用組合は31日に会見を開き、不正融資を指摘する右翼団体などによる街宣活動を止めるため、反社会的勢力に資金を提供していたと明らかにしました。

【いわき信用組合・金成茂理事長】
「旧経営陣らによる長期にわたる不正資金提供等が明らかになり、本日、金融庁より行政処分業務の一部停止命令、ならびに業務改善命令を受けました」

いわき信用組合は会見の中で、1990年代に繰り返されていた不正融資を指摘する右翼団体などによる街宣活動を止めるために、解決料の名目で反社会的勢力に資金を提供していたと明らかにしました。
特別調査委員会によると、元理事長の江尻氏の在任中に不正融資によってねん出された現金のうち、10億円前後が反社からの不当要求に対する支払いに当てられたと考えられるということです。
いわき信用組合は、顧客に無断で口座を開設したり、う回融資をしたりする手法で不正融資を行っていたことが明らかになっていて、その総額は新たにおよそ280億円にのぼることも分かりました。

こうしたなか金融庁はこの日、いわき信用組合に対し、反社との取り引きを直ちに遮断することや、11月17日から1か月間、新規顧客に対する融資業務を停止することなどの行政処分を発表しました。

いわき信用組合では、旧経営陣に対して刑事・民事両方で責任を追及する方針で、反社会的勢力の排除や不当要求にきぜんとして対応していくとしています。

こうした中、片山さつき金融担当大臣は午前中に行われた閣議後の記者会見で、いわき信用組合をめぐる問題について問われ…

【片山さつき金融担当大臣】
「そういう問題が非常に深刻な問題として存在しているということは党の金融調査会長としてもクローズのミーティングで聞いている」

こう話したうえで「現時点ではコメントを差し控える」と述べるにとどめました。