参政党の神谷代表が、10日に沖縄入りして街頭演説を行い「日本軍は沖縄県民を守るために戦った」と自らの主張を改めて訴えました。

参政党・神谷 代表
「光と影があると。歴史には。だから両方ちゃんと学んで、みんなで議論することが大事だよねといってて、こっちが正しいお前間違っているみたいな、そんなね、重箱の隅をつつくような議論をしたくない。無駄だから。両方の見方があっていいじゃないですか、歴史だから。大事なのは、なんか言うとたたかれるとか、そうやって言論封鎖することが一番怖いわけですよ」

10日の街頭演説でこのように主張した神谷代表。演説終了後、記者団の質問に答え、沖縄戦の歴史認識に関して持論を展開しました。

参政党・神谷 代表
「沖縄を守るということはイコール県民を守ることだと思うし、戦争においてはスパイがいるから、スパイには気をつけろよと、訓示を出しただけであって、日本軍が県民を虐げにきたわけはないでしょうから。そこは“とり方”かなと思いますけど」

参政党・神谷 代表

こうした神谷代表の主張について、琉球大学の北上田源准教授は次のように指摘します。

▼琉球大学・北上田源 准教授
「沖縄を守るために何とかしようと思って、そういう思い持って行動した、そういう兵隊がいたのはそれは否定しないんですよ。そのことがそのまま日本軍、あるいは第32軍の作戦や方針と合うかというと、それは全然違うレベルの話になりますので、それを彼は混ぜてしゃべっている」

琉球大学・北上田源 准教授

そのうえで、沖縄戦や歴史の検証がどのようなプロセスで行われてきたのか、社会全体で見つめ直すべきだとしています。

▼琉球大学・北上田源 准教授
「結論としてどのような話になっているかというだけではなくて、そこにいたるまでにどのような検証がなされてきたかというプロセス、その部分というのを、きっちりともっと、社会全体のなかで大切にしていこうという、そのような雰囲気をもっとつくっていかないといけないなと改めて思いました」

SNSを巧みに駆使して支持率を伸ばす参政党ですが、発言の根拠が不明確な主張を繰り返す神谷代表の言動は今回の選挙戦で様々な論争を引き起こしています。

▼琉球大学・北上田源 准教授
「今回の神谷さんの発言というのは歴史に関して全く根拠がないままに、思い込みやイメージで自らの主張したいことを語っていると思うので、そのことは神谷さん、あるいは参政党が現実をどのように見ているのか、本当にしっかりと事実を見ようとしているのかということへの疑問にもつながっていくのかなと思います」

真偽不明の情報があふれる時代、情報を受け取る一人ひとりの良識が問われています。