戦時中、アメリカ軍などの攻撃により沈没した県関係の船について、対馬丸記念館の調査によって、これまで確認されていた26隻に加えて新たに5隻の存在が明らかになりました。

対馬丸の沈没からことしで81年となり、那覇市の対馬丸記念館では、戦時中に沈められた県関係の船に関する企画展を14日から開催しています。

県は1995年の調査報告を基に、県関係の船を26隻としていましたが、対馬丸記念館による今回の企画展に向けた調査で新たに5隻の存在が確認されました。

5隻のうち、1943年3月、避難訓練中に台湾・基隆沖で沈没した高千穂丸では少なくとも県民2人が亡くなったほか、県民も乗船し、1945年2月に久米島沖で沈没した嘉進丸ではおよそ40人が命を落としました。

ほかの3隻は大東島沖で沈められましたが、県民の被害は確認されていません。

▼対馬丸記念館学芸員・嶋袋寿純さん
「皆さんの対馬丸以外の船の記憶、それを一つ一つ紡いで、多くの人々に『戦時撃沈船舶』が伝えられたらと思っています」

乗船中の住民の被害については、これまで全体を把握する調査が十分行われておらず、対馬丸記念館は今回確認された5隻の存在をきっかけに調査が進んでほしいとしています。

企画展は8月31日まで開かれています。