「生徒A」さんがいた高校も変わろうとしているが…
県立コザ高校では今年、新たな校長が着任し、Aさんが亡くなって初めて、生徒や教職員を集め、子どもの人権を考える講演会を実施した。会場ではAさんの母、みかさんも話を聞いていた。
▽質問する女子生徒
「私自身もハラスメントを受けた経験があって。上の人に言ってみたり相談はしたけど、軽減されただけでハラスメント自体が無くなったわけではない。そういうときはどう対応したらいいのか」

▽生徒Aさんの母・みかさん
「やっぱり子どもたちって、しっかり意見を持っているし自分の考えを持っている。子どもたちが質問したときに答えが出ないのはつらい」
息子と同じ苦しみを、これ以上誰にもさせない。
話はないと伝えていたみかさんだったが、急きょ、校長と話をする場をもった。
▽校長に訴える 生徒Aさんの母・みかさん
「ご自身がハラスメントを受けたというお子さんに対して、軽減はされたけど解決はできないっていうのは、やっぱりそこだなって思ったんですよ」

「誰に何を相談していいのか分からないというのは大きな問題だし、それをどうするかを真剣に考えていかないといけない」
息子が自死した悲しみに動けなくなる瞬間は、今もある。
喪失感が癒えることはない。
それでも、子どもたちが安心して生きていく未来を信じて、遺族はこれからも息子とともに生き、歩みを続けていく。(完)
シリーズ「我が子を亡くすということ」第1回記事からの全編はこちら
【第1回】理不尽な部活指導で命を絶った我が子はなぜ「生徒A」になったのか…
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