■東京2025世界陸上 男子棒高跳・決勝(15日、国立競技場)
世界記録保持者のA.デュプランティス(25、スウェーデン)が、自身の記録を塗り替え、前人未到6m30の世界新記録を叩き出した。世界記録更新は14度目となり、世界陸上3連覇との“W快挙”を達成した。
今年の8月に6m29の世界記録を更新したデュプランティスは、この日6m15まで一度も失敗することなく、先に金メダルが確定。その後、6m20をパスし、バーの高さは一気に世界新の6m30に。1回目、2回目は惜しくもクリアできなかったが、最後の3回目で決めた。
その3回目の跳躍ではバーが少し揺れたが、バーは持ちこたえ落下せず。見事に成功させると国立競技場は歴史的シーンに割れんばかりの大歓声。最後の最後で勝負強さをみせたデュプランティスは、優勝を争った仲間たちと抱き合い、家族らとも歓喜の抱擁。今大会初の世界新に会場は歓声で大きく揺れ動いた。
デュプランティスは、今年8月13日に行われた世界陸連のコンチネンタルツアー・ゴールド大会、ハンガリーグランプリで6m29をマーク。自身13回目となる世界記録を更新し、世界陸上3連覇&人類初の6m30の挑戦に向けて、弾みをつけていた。
■アーマンド・デュプランティス
1999年11月10日生まれ、元棒高跳の選手だった父が作った自宅裏庭の練習場で競技を開始。2015年のU18世界陸上、2018年のU20世界陸上で金メダル。世界陸上は2019年ドーハで銀メダル。その後、2022年オレゴン、2023年ブダペストで連覇。五輪は2021年東京、2024年パリで金メダルを獲得。2024年には大谷翔平やテニスのN.ジョコビッチ、サッカーのレアル・マドリード所属のV.ジュニオールなど錚々たる面々を抑えて、国際スポーツプレス協会(AIPS)が選出するスポーツ界の年間最優秀選手に輝いた。