一方で事故のニュースは番組開始から12分後。そのほかのニュースと合わせて短く伝えられただけでした。
▽TBS 佐古忠彦さん
「なぜあのときに、あの日にその現場に行かなかったのかというのは」「やっぱり悔いを残した痛恨の出来事」
当時、番組で筑紫哲也さんとともにキャスターを務めていた佐古忠彦さん。沖縄に関するドキュメンタリーや映画を次々に手掛けるなど、TBS内でも、誰よりも沖縄に眼差しを向け続けてきた1人です。

「沖縄からすれば、生活に根ざした、基地の問題、命の危険も考えなきゃいけない基地の問題。だけれども、本土側からしたらひょっとしたらあの時はいわば、犠牲者がいないというこの一点で、単なる事故という認識だったとしか見えない結果だったろうなと思う」
そのうえで、事故に対する地元メディアと本土メディアの大きなギャップについてこう解説します。
「沖縄戦があり、占領下に置かれた戦後、そしてそこから、いわば地続きというふうに言える今の歴史の上にある出来事という、「線」でこの出来事(事故)を見るのか、あるいは事故という「点」で見るのか」

「いわばその歴史的な体験のギャップと言いますかね、そういったものが奥底にあって、それがそのまま現れた報道の結果だったんではないか」