8日午後4時43分ごろ、宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の強い地震が発生し、日南市で最大震度6弱の大きな揺れを観測しました。
【9日午前9時 情報更新】
この地震にともなって気象庁は、8日午後7時過ぎ、初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
巨大地震の恐れが やや高まっている
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、巨大地震の恐れが、平常時に比べて、相対的に高まっていることを伝えるものです。
「相対的に」とは、平常時に巨大地震が発生する確率は1000分の1程度のところ、「数百分の1程度」の確率に上がった、ということを指しています。
【注】
平常時に、7日以内に南海トラフ地震が発生する可能性…1000分の1程度
Mw7.0以上の地震後7日以内に、Mw8.0以上の地震が続けて発生する可能性…数百分の1程度(引用:気象庁資料)
つまり、巨大地震が起きる可能性は高まってはいますが、必ず起きるという予報ではありません。防災対応を取る必要がありますが、今慌てて避難することは求められていません。

そのため気象庁は、日頃からの地震への備えを再点検し、揺れを感じたらすぐ避難できる準備をするよう促しています。これが、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が国民に求める行動です。

・家具の固定などを改めて確認しましょう。
・非常用袋やヘルメットを用意し、すぐに持ち出せるようにしましょう。
・寝るときは、枕元に履きなれた靴を置いておくなど、避難しやすいようにしましょう。
「南海トラフ地震」とは
「南海トラフ地震」とは、日本の太平洋側、静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘までのプレート境界を震源とする大規模地震のことです。
おおむね100年から150年間隔で発生していることが、研究で分かっています。
前回は1944年12月の昭和東南海地震(マグニチュード7.9)、1946年12月の昭和南海地震(マグニチュード8.0)地震の2つが該当します。
この地震から約80年が経過していることから、将来の南海トラフ地震が警戒されています。
今回の地震は、そのリスクの高まりを調べるための条件の1つである、「南海トラフ近辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生」に該当します。
そのため、専門家が集まり、将来の南海トラフ地震のリスクが高まっているかどうかを調べ、平常時より相対的にリスクが高まっていると判断した、ということになります。
では、仮に南海トラフ地震が発生した場合、沖縄ではどんな被害が想定されているのでしょうか。