ベストを超えられず、もがき苦しんだ

成長にともなう体の変化を感じていた喜久里。2年の春には左の太もも裏を負傷した。それでも何とか調整して臨んだ去年の全国総体は…

▽喜久里彩吹
「ダメというのが(自分で分かっていて)、インターハイまでの練習で間に合っていないと。自分の中で不安であって」

幅跳びも三段跳びも、予選敗退。1年で記録したベストを越えられない。もがき苦しむ日々が続いた。

▽喜久里彩吹
「自分に対して、情けなくて悔しいみたいな。情けないっていうか、いろんな人に支えてもらってインターハイまでやってきたけど、でもどこか、全力で取り組めたかって言われたら、自信がないところがあって…」


中学の頃から喜久里を指導する後間英生(こしま・ひでき)監督は、好調も不調もあった喜久里の変化をこう振り返る。

▽後間英生監督
「高1のときは自分の力を思い切りぶつける、怖いもの知らず。すべてにおいて全力を出し切れていた。2年になって初めてけがをしたり、自分を見失う機会があったりとか、色々去年はそういうのがありました。いろんな意味で成長につながっているし、今年は1年の時よりも技術的な面を含めてかなり向上していると思います」

▽喜久里彩吹
ーきついなと思った時に自分を支えてくれたものは?
「やっぱ、勉強。勉強っていうか、学校生活ですかね」
進学校の那覇国際高校に進んだのは、勉強も陸上も両立したかったから。陸上で行き詰まっても、友人との日々が気持ちを癒してくれた。

▽友人たち
「お弁当食べているときも、彩吹はずっとしゃべっていて、1人だけ食べるの遅いみたいな」「歌うたっているときは面白いです。ラッパーだよラッパー(笑)」
▽喜久里彩吹
「Ya Ya Ya Yah!みたいな(笑)…Awichが好きなんですよ、それで髪をめっちゃ伸ばしているんですけど、あきらめて、きょう切ります!」

「勉強だけだったら心が辛いし、陸上だけでも、将来陸上で生きていくって大変なことだから、自分には陸上だけじゃない、って。そういうのも結構大きかったかなと思います」