後半戦、無失点はわずか2試合

しかし、今年優勝した町田との直接対決で大敗したのをきっかけに、先行きに暗雲が立ち込めます。夏場にけが人が続出したため、戦術を都度で変更する苦しい戦いが続きました。その結果、守備のほつれが生まれ、後半戦、無失点のゲームはわずか2つでした。

(サポーター)「大宮戦でいけるやろみたいな雰囲気が、試合前から蔓延してたというか、もったいなかったなと思います」

J3降格チームにも勝ち切れず。ホームの大宮戦は3倍近いシュートを放つも最後のセットプレーで決められ0―1。痛い黒星で自動昇格が絶望的になりました。

さらに41節・金沢戦では前半2点をあげるも後半に失点を許すという今季を象徴する展開となり、結局2―2のドローで終わりました。結局J1昇格プレーオフ圏外、来季のJ2残留が確定しました。

(元大分トリニータ・高松大樹さん)「守備のところもね、ちょっと相手に研究されてうまく隙を突かれたりとか、軽いプレーで失点するとか、なかなか守備の方も安定してなかったんで、ちょっと夏場以降は苦しみましたよね」

「得点力不足と守備の甘さ」露呈

チームを2年率いた下平隆宏監督は今年で退任。得点力不足と守備の甘さに悩まされながらも、最終戦では弓場と長沢がゴールを決めて勝利。下平監督の目指した攻撃的なサッカーを発揮して最後を白星で締めくくり、17勝11分14敗の9位で終えました。

(元大分トリニータ・高松大樹さん)「せめてプレーオフまで行ってほしかった。もっと得点を見たいですよ。得点をもっと取れる選手がいっぱいいるんですけど、なかなか取れないのが現実なんで、やっぱり2桁得点を取れるストライカー。若い選手で、『俺がやるんだ、おれが点を取るんだ』という選手が出てくることを期待しています」

来シーズンからは片野坂知宏氏が3シーズンぶりに監督に復帰します。育成に力を入れつつ、J3からJ1まで引き上げた手腕に注目です。片野坂氏はOBSの取材に対し「もう一度またJ1に昇格させて、降格させた責任をとる」と本人の覚悟が伝わってくる決意を表明していて、守備面の強化と得点力を高めるため攻撃面のビルドアップが注目されます。

2023年は梅崎がキャプテンを務め、弓場や保田、ユース出身の若手の台頭など、収穫もありました。来シーズンは「シン・カタノサッカー」でJ1昇格の悲願達成を目指します。