旧統一教会の名称変更に関する文書を、文化庁が非開示にした判断に対し、大学教授が取り消しを求めていた裁判に判決が言い渡されました。

大阪地裁は、不開示とされた文書の一部について、取り消しを命じました。

訴状によりますと、旧統一教会が2015年に名称を「世界平和統一家庭連合」に変更したことをめぐり、神戸学院大学の上脇博之教授は、2022年から2度にわたり、文化庁に対して教会側の申請文書や決裁文書などの開示を求めましたが「法人の正当な利益を害する」などとして大部分が不開示とされました。

上脇教授は「具体的な不開示理由を示していない」などとして、文書の開示を求めていました。

これに対し国側は「公にすることを予定していないため、開示すると宗教法人の権利や地位を害するおそれがある」などと主張していました。

28日の判決で大阪地裁(横田典子裁判長)は、不開示決定の一部を違法として、取り消しを命じました。取り消しを命じられたのは、旧統一教会への名称変更の判断に関わる文化庁内での協議や検討、結論をまとめた文書などです。

上脇教授は判決を受けて次のように話しました。
「元々、名称変更を国が認めてこなかった。それが急に認めるようになった。
 旧統一教会と自民党の議員との関係が影響したのではないかと疑われるので
 私が情報公開請求して真相を明らかにしようとしたが、
 残念ながら肝心のところがわからず、これでは許されないと提訴に踏み切った
 重要な部分で不開示の取り消しを認めてくれた画期的な判決。
 そういう意味ではこの判決を評価したい。開かない扉をこじ開けたそういう感じ
 (名称変更で)被害が拡大し、きわめて高額な寄付に変わる、
 家族が破綻する大きなきっかけをつくってしまったのかもしれず、真相解明は重要」

文化庁は判決を受け
「国の主張が認められなかったものと認識しております。今後については判決の内容を精査した上で関係省庁とも協議し、適切に対応してまいります」とコメントしています。