制度導入を評価しつつも…

制度導入を記念して大分市が10月に開いたシンポジウム。この中で、専門家は「制度によって受けられる行政サービスの内容には自治体間でばらつきがある」と指摘。例えば、現時点で大分市では市営住宅の入居申し込みや、り災証明書が申請できる程度にとどまっています。一方で、同居する子どもを家族として認定することや、医療機関におけるパートナーへの病状説明、手術の同意ができないなど、制度の充実を求める声が上がっています。

大分市主催のシンポジウム

(大分市男女共同参画センター・三原雄介さん)「生活により密着したものが良いのではということでスタートは8つの行政サービスを掲げている。利用したいと思えるような制度になるようブラッシュアップしていきたい」

原田さんたちは、行政が自分たちの関係を認めてくれることは「安心感につながる」と制度を評価しています。ただ仕事柄、市外への転勤の可能性がある2人には今のところ申請する予定はないといいます。

(ゆうきさん)「今の段階で制度を使ったとしても、大分市外に転居する時に一度、制度を解消しないといけないので少し使いづらい」

「県の制度として導入し、地域の意識改革が進むことが願い」

2人は県に対し、すでに県単位で制度を導入している福岡県や佐賀県などに続くことを望むとともに、社会全体として性的マイノリティへの理解が広まって欲しいと訴えます。

(ゆうきさん)「職場や社会で身近なところに当事者がいるかもしれないということだけでも頭に入れておいてくれる人が増えたら、もう少し生きやすくなるかな」(原田絋希さん)「この制度ができたことによって、当事者をより身近に感じてもらって、少しずつ地域の意識が変わっていってくれたらと思います」