「クラブの信用が安心感を生んで、成長させてくれた」

1人のサッカー選手として挑戦したい。純粋な思いが高木をJ1の舞台へと踏み出させた。だからこそ、大分へのあふれる感謝を語り続けた。

高木選手

「今の僕があるのはトリニータというクラブがあったからで、ここまで成長できたのは、トリニータが僕のことをとても信用してくれて、何をしても支えてくれるという安心感があったから。僕がサポーターの前で、いろんなことするのも、このクラブだからという安心感が自分の中にあったからできたのかなと思ってます。僕を成長させてくれたのはこのクラブだなとすごく感じています」

「勢いを生むためにもっと盛り上げるような声を出すこと」

愛する大分トリニータだからこそ、高木は「もっと盛り上がれ」と鼓舞した。「チームっていうのは、勢いが生まれないと絶対に勝てない。その中で一番やるべきことで簡単なのがとにかく声を出すこと。その場がうるさくなって明るくなっての人数が増えれば、単純にそのまますごく勢いづく。まずそれをやっていかないと目に見える勢いっていうのは生まれない。もっと盛り上げるような声を出すことっていうのはすごく大事だよっていうのは、みんなには常に伝えてるし、今日の朝のチームのミーティングでも、そういうことをみんなに伝えましたけど、そういう選手がたくさん出て来てほしいなっていう思いがあります」

17日はサポーターに直接あいさつ

リーグ戦が残り3分の1を切って何とか浮上のきっかけをつかみ、J1昇格に一丸となって向かって行く中での移籍。高木の希望で、8月17日にはトップチーム練習場横でサポーターに直接あいさつする機会が設けられた。

「決断するときに、やっぱりトリニータのサポーターに申し訳ないなという気持ちがすごくあって、ずっと大分にいますよっていうこともたくさん言ってきたし、きっと寂しい思いをさせちゃうんだろうなってすごく思いました。

試合前、スタジアムで挨拶したときにスタンドを見まわしたら、いつもの顔があるなって、もう結構顔なんかもう覚えたりもするし、なんか1人1人の声とかもすごい聞こえたし…。もうとにかく、もう、トリニータのサポーター、本当に大好きでした。ありがとうございます。」

大分のサポーターから、仲間から、チームから愛された守護神が名残を惜しみながらも、飛躍を誓い北の大地へと旅立つ。その耳にはドームに何度も響き渡った「俺たちの高木駿」がこだましているだろう。

高木駿◆1989年5月22日生まれ。神奈川県出身。東京ヴェルディ1969ユース、明治大を経て2012年川崎フロンターレに加入。2017年、片野坂知宏監督率いるJ2・大分トリニータに移籍。2018年にJ2で42試合に出場してJ1昇格に貢献。トリニータでリーグ戦156試合に出場した。