大分県玖珠町特産の「コメ」に宇宙データを活用し、ブランド力向上を図る「宇宙米プロジェクト」。その先駆けともいえる青森県での視察に密着しました。
人口およそ123万人、東北地方の本州最北端に位置する青森県の特産品といえば「リンゴ」が有名ですが、今、注目されているのが…「コメ」なんです。

(安部記者)「こちらの会議室では玖珠町の一行が青森県の担当者から説明を受けています。テーマは『衛星データを活用した米づくり』です」

この日、童話の里で知られる玖珠町の宿利政和町長らが訪れたのは青森県産業技術センターです。遠路はるばる何を目的にやってきたのかというと…
(青森県産業技術センター・境谷栄二室長)「ぜひとも特A米を金賞デビューさせたい。『青天の霹靂』という品種ができたことで、それをもとにブランド化を進めようと」

青森のブランド米「青天の霹靂」という品種の視察です。「青天の霹靂」は2015年に誕生。7年連続で米の食味ランキング最高評価の「特A」を獲得しています。

(境谷栄二室長)「衛星の活用のメリットとしては収穫できる日を予想し、日付ごとに色分けして田んぼを地図化している」
最大の特徴は人工衛星から送られてくる画像データを活用していること。生育とともに移り変わる稲の色から収穫量や刈り取りに最適な時期などが予測できます。

玖珠町の一行は衛星データの導入に向けた体制の構築や生産者への指導方法などについてアドバイスを受けました。
(玖珠町・宿利政和町長)「今回、ご教示いただいたことを持ち帰って、人工衛星を活用したブランド米に挑戦したい」

ブランド力アップの成果はこうした形でも表れています。
(安部記者)「スーパーの精米コーナーですが、これが『青天の霹靂』です。さらに、値段を見ますと、隣にあるコシヒカリよりも高い値段が付いています」

青森県内のスーパーでは精米コーナーだけでなく、新米の時期には特設コーナーも設置。ブランド化が小売価格にしっかりと反映されています。
(ユニバース黒石富士見店・三熊景虎店長)「どんな食材やおかずにも合う、冷めても美味しいと買い物客から定評をもらっている。青森県内の店舗であれば、必ずどこの店舗でも品揃えしている」

玖珠町の視察2日目は「青天の霹靂」の生産者、横山英樹さんを訪問。実際に衛星データをどう活用しているのか聞き取りました。

(「青天の霹靂」生産者・横山英樹さん)「ログインすると直接、田んぼが表示されて、だいたい9月17日くらいから刈り取りができることがわかる」


生産者が使っているのが「青天ナビ」と呼ばれるWEBサイト。スマートフォンさえあれば、衛星からの情報を簡単に閲覧できる仕組みです。