言葉をうまく出せなかった実幸さんに、母の真由美さんが渡したのは、お絵描き帳でした。
それを機に、実幸さんはイラストと文字で自分の思いを表現するようになりました。そんな実幸さんがカレンダーの制作を始めたのは高校1年生の頃。きっかけは同じ病気だった知人が亡くなったことでした。

刀根実幸さん:
「悲しかったし、なんか怖くなった。次は私かなって」
インターネットで病気について調べ、二十歳までの命と感じたそうです。カレンダーの制作は、「私のことを忘れないでいてほしい」という思いからでした。

実幸さんの母:
「カレンダーだったら毎月めくるから『私のことを忘れないよね』っていうから、本当にそうだねって」