「お父さん私を殺すとね」「すまん勘弁せろ」
3月12日、被告はスーパーで焼酎を買った。その日の夜、被告はなかなか寝付けなかった。
弁護人:
──なぜ寝付けなかったんですか?
「『親族に電話するな』とか(妻に言われて)パニックに…どうしていいか分からんような状態だった」
そして被告はこう考えたという──
「(こうなったのは)夫婦2人の責任やけん、私が刑務所に入って。妻に犠牲になってもらわんばと」
──事件を避ける方法はあったと思いますか?
「私の頭では思いつかんですね」
──奥さんの気持ちを無視しても、親戚に相談すれば良かったのではないですか?
「考えんやったです」
3月13日、被告は就寝中の妻の顔にバスタオルを掛け、左手で妻の口を塞ぎ、右手で首を絞めた。
弁護人:
──殺そうとして、まずどうしたんですか?
「朝方、手で首絞めて…片手では絞めきれんやった」
──奥さんとはどんなやり取りをしましたか?
「“私を殺すとね?”と言われ、すまん、勘弁せろ、と。そのあと(妻は)もうしゃべらんやったです」
──奥さんは逃げようとしましたか?
「なかったです」
──動かなかったことをどう思いましたか?
「覚悟したとやなかかなと」
──奥さんに言いたいことは?
「ただ『すまなかった』というだけです」