「一票の格差」が最大3倍を超えた参議院議員選挙。

ことし7月の参院選では、議員1人当たりの有権者数が最も多い東京選挙区と、最も少ない福井選挙区を比べると「1票の格差」が3.12倍でした。

また、大阪選挙区と福井選挙区でも一票の格差は2.9倍あり、弁護士グループは前回の参院選より格差が拡大し、投票価値の平等に反して憲法違反だとして選挙の無効を求めて提訴していました。

今年の参院選における「一票の格差」訴訟は、弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に計16件起こしています。

24日午後、一連の訴訟をめぐるはじめての司法判断が示されました。

大阪高裁は、7月参院選の一票の格差について「選挙当時、投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえない」などとして、合憲と判断。選挙無効の請求について棄却しました。

いっぽう判決は格差について、「喫緊の課題が、更に切迫したものとなったことを示すものであるとも考えられる。立法府に対しては、より適切な民意の反映が可能となるよう、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、是正方策について具体的に検討し、国民の理解も得られるような立法的措置が講じられることが引き続き求められる状況」と解消を求めています。

弁護団は会見で「不満です」としながらも、「格差を是正しなければいけないと判決は言っている。そういう意味では従来よりプラス」と述べ、『是正義務つき合憲判決』だとしました。