「早く妻がおるとこに行って謝りたい。一日も早く行きたいです」40年連れ添った妻を殺害した罪に問われている75歳の男は、法廷で涙ぐみながら声を震わせ、こう証言した。近所では「仲の良い普通の夫婦」と認識されていた2人に何があったのか。法廷では「金銭的な不安などがあり、殺害を避ける方法は思いつかなかった」と述べ、寝たきりになった妻を抱え、周囲に助けを求めることもできず、身勝手な犯行に及んだ過程の一端が明らかになった。

終わったな。娘のところに行って成仏してくれ

長崎地裁に入る前田被告

殺人の罪に問われているのは佐世保市の無職、前田敏臣被告75歳。
前田被告は今年3月、長崎県佐世保市の市営住宅の自宅で、当時74歳の妻の首を締めたあと、刺身包丁(刃の長さ約20センチ)を首に突き刺したとして殺人の罪に問われている。