■ 量刑の理由「動機・経緯は大いに酌むべき」
・犯行は執拗かつ危険で、結果はもとより重大
・母親の介護に引き続き認知症を発症した祖母や、祖父を一人で献身的に介護していたなか、祖母の暴言で「怒りが爆発」した
・被告は几帳面で懸命に介護し、ストレスを抱え睡眠不足にも陥った
・動機や経緯については大いに酌むべき事情がある
・検察は「市役所に相談する方法があり ”介護に追い詰められた上の犯行ではない”」と指摘するが、被告の周囲が協力的とは言えない中で二人の介護を続けており、相談は容易ではなかった
重い介護負担を一人で抱え込んだ精神的負担は大きく『急性一過性精神病性障がい』を発症するまでに至った。”介護に追い詰められた上での犯行”と評価するのが妥当
・前科前歴がない
・反省の言葉を述べている
・再犯の恐れが少ない
・被害者遺族が概ね寛大な処罰を求めている
以上のことから、執行猶予を付する余地がある事案である。
被告人が社会復帰後の新しい環境下で改善・更生を図るため、執行猶予期間中、保護観察処分とする。
判決後、被告人弁護士は「量刑についてや控訴するかなどコメントしない」としています。
控訴期限は7月21日です。