■ 佐世保市民「回遊効果を高める施策を」

佐世保市の人気観光地の一つ『海きらら』
新幹線開業後も入場者の数に変化は見られなかったといいます。


海きらら PR企画課 野添 一未 主任:
「正直なところ(開業効果は)あまり感じていないというところが感想ですかね。
個人的には寂しいなという感じはするんですけど、どうにかしてお客様を引き込めるようにしていきたいなとは思いますね」


佐世保市民も、新幹線の沿線自治体との温度差を感じています。


市民:
「遠いところの話って感じ。こっちまで来てたらまた違ってたかもしれないけど」

「通れば盛り上がりますよ、だって通らんもん」

「ちょっと今のままでは少し期待薄ですね」

「ここから福岡に行くってなれば車とかでも全然行けるので、ここから乗ろうとは思わないですね」

商店街の関係者からは、“新幹線開業の恩恵” を県全体に広げる取り組みを行政などに求める声が聞かれました。


商店街関係者:
「なんか“取り残されてる” じゃないんだけど。『単発的な感じ』がして、もっとこう回遊できるような感じでできたらいいなと」

「地元の声をもっと吸い上げて、利便性を高めて欲しいと思います。盛り上げるのは一人一人ですけんね。そこが大切かなと私自身は思います」

『開業効果の地域間格差』をいかに縮めるかが課題といえそうな西九州新幹線。
そして、もう一つのネックが──

■ 中部・関西からの観光客 ”乗り換え”面倒くさい

課題として残るのが、新幹線と特急リレーかもめの “武雄温泉駅での乗り換え”です。
『特急と同じホーム』に到着するため、乗り換え自体はスムーズにできますが、本州から新幹線に乗ってきた観光客に本音を聞くと──

名古屋からの観光客:
「つながってないから不便だよね。面倒くさいし“何でやの?”って感じ」
「 “4時間の壁” があるじゃないですか、4時間超えると(新幹線より)飛行機を利用する人が多くなってきますよね」

滋賀からの観光客:
「正直、関西人としたら、“(博多で)乗り換えて” “(武雄温泉で)乗り換えて”っていうのは しんどい ですしね。やっぱりずっと座っていけたら最高ですよね」


沿線自治体の大きな期待を背負って走り出した西九州新幹線をいかに全体の発展につなげていくか。
その成否は、開業そのものではなく、これからの取り組みにかかっています。