開業からの1か月間で20万人近くが利用した『西九州新幹線』
地域にもたらす “開業効果” にも大きな期待がかかっています。
しかし長崎県内でも、その恩恵に “地域間格差” を感じている地域があるようです。

先月23日に開業した西九州新幹線。
開業から1か月が過ぎた24日も、長崎駅の新幹線ホームは多くの利用客で賑わっていました。
JR九州によりますと、『武雄温泉ー長崎間の利用状況』は、“コロナ前の水準を上回る” など、順調な滑り出しを見せています。

西九州新幹線の開業に特に大きな期待を寄せているのが、沿線の自治体です。
■ 長崎市の商店街「目に見えて増えている」

思い描いた開業効果は出ているのか、長崎市の商店街は──

長崎市商店街連合会 本田 時夫 会長:
「多くの方が長崎にお越しになっている。目に見えて人通りも増えたし、特に九州圏内のお客様、店頭で見ててもかなり増えてますね」

新幹線開業を一緒に盛り上げようと、商店街連合会では8月から9月にかけて県産品が当たる記念セールを実施。
およそ9万通の応募があり、注目度の高さを実感したといいます。

本田会長は、来年予定されている新しい駅ビルの開業も見据え、この“追い風”を今後につなげる取り組みに力を入れたい考えです。
本田 会長:
「お客様の数は確実に増えているし、そこでどれだけ売り上げを取っていくか、どれだけ集客が上がってくるのか、ということを商店街としても考えなければいけない。
個店としてもさらに努力していくということをやらないと、結果的には『新しい施設ができて人が流れる』ということで終わってしまうようなことにもなりかねませんので、これからが努力のしどころもあるかなと思ってます」
■ 島原鉄道への“乗り換え旅” 今後に期待


島原鉄道への乗り換えができ、地元・諫早市だけでなく島原半島への玄関口としての役割も期待されている諫早駅では──


島原鉄道鉄道課 井上 浩 係長:
「『新幹線もしくは在来線で来られた』というお客さまが、島原鉄道を利用して大三東駅までとか各観光地まで(行くというのが)本当に増えたなという印象はあります」

島原鉄道ではJR九州・松浦鉄道と連携して、特急を除く“県内の在来線が3日間乗り放題”になる『長崎スローラインきっぷ』を先月23日に発売。
観光客が『県内を周遊する際の利便性』を高めて、“新幹線からの乗り換え旅”を促すのが狙いです。
井上 係長:
「増えてはいるんですけど、もう少し増えてくるのかなという思いはあったんですね。
(今後)どれだけお客様を誘致できるのかというのは、これからの課題なのかなというふうには思ってます」
一方、西九州新幹線が走らない県北地域の受け止めは複雑です。