2019年にノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野 彰さんに持続可能な社会の実現に向けた展望を聞きました。
携帯電話やノートパソコン、それに、電気自動車などに使われるリチウムイオン電池の開発に貢献したとして、2019年にノーベル化学賞を受賞した、吉野彰さん。
現在、旭化成の名誉フェローや宮崎県延岡市の野口遵記念館の名誉館長などを務めています。
(2019年ノーベル化学賞受賞 吉野 彰 さん)
「(ノーベル賞授賞は)リチウムイオン電池はサステナブル社会実現に、これから大きく貢献しないといけませんというメッセージをいただいたんだなというふうに思っております」

サステナブル、いわゆる持続可能な社会の実現へ向け、具体的な目標として示されているのがSDGs。

吉野さんゆかりの延岡市は、去年、県内で唯一、国の「SDGs未来都市」に選ばれ、今後、取り組みが本格化する予定です。
吉野さんは、野口遵がおよそ100年前、延岡市に旭化成の前身となる会社を立ち上げたことを踏まえ次のように話します。


(2019年ノーベル化学賞受賞 吉野 彰 さん)
「今、我々に課されているのは、100年前に野口遵がしたことの現代版を生み出して、それを実際社会的に組み込んでいくというのが重要だと思いますので、サステナブル社会と延岡というのは、本来、密接に世界に先駆けて実行してきたエリアですので、そういう意味では非常に期待できるのではないかと思います」


また、政府が2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにして全体としてゼロを目指す「カーボンニュートラル」については・・・

(2019年ノーベル化学賞受賞 吉野 彰 さん)
「問題は2050年に、そういう社会実現したとして、当然、その実現には大きなイノベーションがいくつか多数起こってるはずなんですよね。せめて、4分の1くらいのイノベーションは日本から発信したというそういう世界にしてもらいたいなと思っております」

カーボンニュートラルについて考えるイベントが、1月14日(日)、延岡市の野口遵記念館で開かれます。
吉野さんもVTRで出演することになっています。