12日午後7時すぎ、成田空港発・セブ行きのユナイテッド航空の飛行機が、関西空港の滑走路に緊急着陸しました。上空を飛行中に、機内の貨物室で出火を示す警告表示が出たということです。

 この緊急着陸をめぐり、乗客5人が軽傷を負いました。

 脱出した乗客らは「焦げ臭い感じで、パニックになった」など、機内の緊迫した様子を証言しました。


■乗客5人が軽傷 運輸安全委は「重大インシデント」認定
 
 国交省や関西エアポートによりますと、成田空港を12日午後5時半ごろに出発し、フィリピン・セブ島のマクタン・セブ空港に向かっていたユナイテッド航空32便が、関西空港のA滑走路に午後7時8分に、緊急着陸しました。

 その後、飛行機は誘導路上に移動し、シューターと呼ばれる緊急脱出スライドで、乗客135人・乗員7人の計142人全員が脱出したということです。

 国交省によりますと、太平洋上空を飛行中に、機内後部の貨物室で出火を示す警告表示が出され、緊急事態が宣言されたということです。

 消防によりますと、日本人の80代女性1人と、外国人の50代女性1人の計2人が軽傷(打撲)を負いました。シューターでの脱出時に負傷したとみられます。

 国交省によりますと、他にも3人の乗客が軽傷だということです。

 緊急着陸の影響で、関西空港のA滑走路は、13日午前0時15分時点でも閉鎖されています。

 国交省の運輸安全委員会はこの事故を、すでに「重大インシデント」と認定し、担当調査官2人を指名しています。


■「子どもが泣き出したり、CAの方々が『降りろ降りろ』と」「『Get out!』とアナウンスで強めに言われた」

 脱出した乗客が、緊迫の時間について証言しました。 

男性
「焦げ臭い感じで(機内が)パニックになっていました」

女性
「めっちゃ怖かったです。中でみんなが騒ぎ出して、ヤバいってみんなが慌てだして。後ろからと前から分かれて出たという感じでした」
「『Get out!』って言われて、アナウンスで。結構強めに言われたから、みんなが『えっ』みたいなふうになって」

男性
「子どもが泣き出したり、CAの方々が『降りろ降りろ』みたいな感じになって慌ただしくなった。焦りすぎてあまり覚えてないんですけど、とりあえず逃げなきゃと」

男性
「少しだけ機内アナウンスが流れて、すぐに機長から『出ていってください!』という一言だけはもらって。『シートベルトをすぐ外して出てください』と。CAさんも『走って走って!』みたいな感じで」