夢で白馬に乗った老人が「大きな金脈があり、そこを掘れば必ず金が」

そして、終戦から10年が過ぎた昭和30年、1955年、千穂はある夢を見ます。

白馬に乗った老人が現れ、こう言いました。

「この山には大きな金脈があり、そこを掘れば必ず金が出る」

そのお告げに従い、金を掘り始めた千穂。60歳の時でした。

千穂はその場所を夢にちなんで「白馬金山」と名づけ、十人ほどの鉱夫を雇って山を掘り続けていきました。

高校時代にアルバイトとして千穂とともに金を掘った堀川容佑さん(79歳)。
その時の様子をこう話します。

(堀川容佑さん)
「『金は絶対出る』と(言っていた)。負けん気の強い人でした。弱音をはいたことはいっぺんもないね。どっからそのエネルギーが出るんだろうかというふうな、子どもながらに(思っていた)」

千穂の当時の様子をMRTが取材していました。(1976年取材)

(記者)
「もしおばあちゃん、金が出ないということになったらどうでしょう?」
(興梠千穂さん)
「心配せんでいいですよ、自信が満々ですから」