新型コロナの影響で、救急患者の搬送先がすぐに決まらない「搬送困難事案」が全国的に増えています。
こうした中、宮崎市では、新型コロナ以外の救急患者も、受け入れ先がなかなか見つからないケースが、急増していることが分かりました。

(宮崎市消防局救急救助企画室 高橋敬三室長)
「現場滞在が3時間を超えるような、いわゆる搬送困難事案が発生しております」

医療機関に4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまった「救急搬送困難事案」。
その件数は、宮崎市消防局によりますと、14日までの1週間で45件にのぼり、過去最多となりました。

中には、いずれもコロナ疑いの高齢患者で、救急隊が19回にわたり病院に問い合わせたケースや、搬送するまでに3時間以上かかったりするケースもあったということです。

(宮崎市消防局救急救助企画室 高橋敬三室長)
「搬送困難の件数を見てもやはり非常に厳しくなってきている。病状の悪化とか、その辺が我々救急隊も危惧している」

(税田奈緒子記者)
「コロナの疑いがなくても搬送先が見つからないといったケースが急増しています」

救急搬送が困難だった45件のうち、新型コロナ関連は16件。
残りの29件は、コロナ以外の救急患者でした。

今月7日までの1週間も、コロナ以外の搬送困難事案が22件に上っていて、その数は、今月に入り急増しています。

(宮崎市消防局救急救助企画室 高橋敬三室長)
「一般の救急の患者さんにとっても、こういった搬送困難事案というのが増えてきているような状況です」

医療の最後の砦としての役割を担っている宮崎大学医学部附属病院。

今月に入り、救命救急センターが受け入れた患者のうち、およそ2割は他で搬送先が見つからなかった救急患者で、コロナ以外の患者も増えているといいます。

また、宮崎市内の病院でも、新型コロナの影響により、欠勤者が増えるなど、医療体制は厳しさを増しているということです。

(宮崎大学医学部附属病院・救命救急センター 落合秀信センター長)
「コロナが疑われない患者の救急の受け入れの病院選定の困難な事案は、確かに増えてきているが、これは医療機関がコロナの患者に対応している間は、それ以外の救急はとれなくなってしまうところがある」

県内でも相次ぐ搬送困難事案。新型コロナに限らず、通常の医療体制にも影響が広がっています。