「降ったそばからすぐに洪水」中小河川ならではのリスク
なぜ、これほど急激に水位が上がったのでしょうか。金沢大学で河川工学を研究する谷口健司教授は、中小河川ならではの危険性を指摘します。
「中小河川の場合は流域が小さい。降ったそばからすぐに我々が住んでいる所に洪水がやってくる。非常に短時間で水位が上がりやすい」(谷口教授)
石川県の水位計によりますと、能瀬川では午後8時半からの1時間で1メートル余り水位が上昇し、線状降水帯の発生が確認された午後9時40分ごろには、すでに水が護岸を超えていました。

谷口教授は、2022年8月に氾濫した小松市の梯川などと比べて、中小河川では避難を判断するまでの時間=リードタイムが短いと指摘します。
「気づいたときにはすでに厳しい状況で、避難が必要か、避難が場合によっては難しい状況になっていることが、大きな河川と中小河川の大きな違い」(谷口教授)
全国でこうした中小河川の災害が相次いだことを受け、石川県は2023年5月、能瀬川を含む小規模な河川でも浸水想定区域図を公表しました。しかし、こうした想定だけではカバーできないリスクも、今回浮き彫りになりました。