河川カメラがとらえた氾濫 わずか1時間で水位1メートル上昇

石川県が中山橋に設置した河川カメラの画像です。12日午後9時の時点では、護岸の高さまではまだ50センチほど余裕がありました。

氾濫の約1時間前 橋の下にもまだ隙間が確認できる=津幡町中山の能瀬川、7月12日午後9時(石川県提供)

しかし猛烈な雨で水位は上昇し続け、次第に橋の下が見えなくなっていきます。津幡町が避難指示を発表した午後10時には、すでに水が道路にもあふれ出し、避難が難しい状況になっていました。

中山橋付近から川の水が集落に流れ出した=津幡町中山の能瀬川、7月12日午後10時(石川県提供)

松本さんは当時の状況について「流れが速くて、とても外に出られなかった」と振り返ります。

水はその後も上がり続け、橋の欄干やガードレールを飲み込んでいきました。

【写真を見る】飲み込まれる集落 河川カメラがとらえた氾濫(10分ごとの連続画像)

松本さんは、住宅の1階部分が70センチほどの高さまで浸水し、夫婦で階段に座ってただ水が引くのを待っていたといいます。松本さんは「玄関までついたことはあるが、それより上に上がったのは初めて。畳をどうするかと言っている間に畳が全部浮いてしまった」といいます。

床上浸水した松本さんの住宅1階 床板はすべてはがされていた=津幡町中山、7月31日