ハザードマップに書かれていない危険も

大部分が浸水したかほく市多田地区。集落を流れる川は、県の浸水想定の評価対象となっておらず、かほく市の洪水ハザードマップでも、浸水の危険が示されていませんでした。

土砂災害特別警戒区域などを示す赤枠はあるものの、白地のまま浸水の危険が示されていないかほく市多田=かほく市洪水ハザードマップより

しかし、かほく市は、リスクを正確に評価することは困難だとして、ハザードマップの見直しは予定していないとしています。谷口教授も、ハザードマップでは対処できない災害もあると指摘します。

「ハザードマップはすべてのリスクをカバーできていない可能性があるということも知っておいてほしい。自分たちが地域のことをよく知って備えを考えていかなければならない」(谷口教授)

初の線状降水帯から1か月 手つかずの住宅も

線状降水帯が発生してから1か月。石川県のまとめによりますと、道路や河川の護岸といった土木関係の被害額はおよそ56億円に上り、2022年8月の加賀南部を襲った豪雨と同程度となりました。

住宅の被害は、津幡町で少なくとも425棟、かほく市で59棟などが確認され、国は津幡町に被災者生活再建支援法を適用することを決めました。中には土砂が流れ込んだまま手付かずの住宅もあり、1か月が経過しても思うように復旧が進んでいません。

土砂が流入しめちゃくちゃに壊れた住宅=かほく市多田、7月