2023年7月12日、北陸地方を襲った「線状降水帯」。石川県では、規模が比較的小さい中小河川で氾濫が相次ぎ、多くの住宅が浸水しました。記録的豪雨から1か月、見えてきたのは、中小河川ならではの避難の難しさです。
観測史上最大1時間に85ミリ 猛烈な雨で河川氾濫相次ぐ
石川県加賀地方では7月12日夜、記録的な大雨となりました。気象庁は2021年の運用開始以降、石川県で初めて「線状降水帯」の発生を発表。かほく市では観測史上最大となる1時間に85ミリの猛烈な雨を記録し、各地で浸水や土砂崩れが相次ぎました。

石川県のまとめによりますと、津幡町とかほく市では6つの河川が氾濫しました。いずれも川幅が比較的狭い、いわゆる「中小河川」です。

津幡町の中山地区を流れる能瀬川。大雨の翌朝、路面は泥に覆われ、橋の欄干には川から流れてきた大量の枝やごみが残されていました。妻と2人で川沿いの住宅に住む松本哲夫さん(79)は「道路に水が上がったと思ったらしばらくの間にガードレールが見えなくなってしまった」と証言します。