浸透しない“生理休暇”…一方で取得9割超えの企業も
女性の生理の悩み。この問題を解決しようと、「生理休暇」の取得を積極的に促す企業が県内にあります。金沢市のITベンチャー企業、アイサスでは、おととしから生理休暇を給料が発生する有給休暇に変更しました。有給扱いとした背景には何があるのでしょうか。

アイサス 百成公鋭社長
「『生理休暇を取れていますか?』とアンケート取ると『無給だから取りにくい』、『同僚や上司が男性なので言いにくい』ということで、有名無実ということから使われていない状況が分かったので、どうすれば使ってもらえるかということで有給にした」
女性社員に寄り添った制度変更…きっかけは百成社長の妻からの提案でした。
アイサス 百成公鋭社長
「妻が私に「こういうのはどう?」と提案してきたのが大元でそれをきっかけにインターネットで生理についての講習を受けたらとてもいいものだったので女性だけでなく男性も受けてみるべきだということで研修を全社的に受けてもらった」

2021年に受けたこの研修をきっかけに生理への理解を深め、社内で様々な改革を進めました。社員へのアンケート調査であった「上司への申請がしづらい」といった声に対し、生理休暇を使うことを上司に対面で伝えることなく休むことができる専用ページを開設。社内の女性トイレには出血量に個人差があることから、様々な種類の生理用品の設置に加え、要望が多かった痛み止めの薬も常備しました。

女性社員は
「こういう制度が会社にあるのとないのは全然違う」
男性社員は
「生理研修で生理について知る機会、自分のパートナーについても考えるいい機会を得られた」
こうした取り組みの結果、おととしまでは申請がゼロだった生理休暇の取得率が9割以上に伸びました。また、会社では出産や育児にかかわることや子どもの入学式、参観日に出席するための休暇などをすべて有給扱いとして性別関係なく社員の生活を充実させるためのサポートをしています。

アイサス 百成公鋭社長
「できないはずがない。やろうと思えばすぐにできる。やろうと決めるのは経営者なので経営者の方にもぜひ英断をしていただきたい」