今年、藤岡市を訪れた遺族は、知床の観光船事故と、関越道のバス事故を重ね合わせていたということです。

沈没した観光船の捜索が続く北海道・知床半島沖

岩上さんも「社長が後から出てくるとか、船長のせいにしているとか、私らのときも『運転手のほうが悪い』『自分はあまり悪くない』みたいな態度をとっていた記憶もある」と、共感する点が多いと話します。

記者会見に臨む知床遊覧船の桂田社長

「無線を点検していないとか、絶対あり得ない話。人の命を預かって商売している会社にしたら絶対あってはいけない。私の娘もそうだが、乗るほうは運転手の体調管理とか知っているわけがない。みんな信用して乗っていく。私たちのバスのときも過労で、休みなく働いていた。乗っている客にしたら全然わからない話だし、今回の観光船の話も、無線が故障しているなんて誰も思っていない。こういうことを徹底的に厳しく罰してほしいと強く思う」(岩上さん)

利益より命を大切にする社会へ。岩上さんは、同じ思いをしてほしくないと、悲惨な事故が1件でも減ることを願っています。

一人娘が眠る墓に手を合わせる岩上さん

「運営会社は自分らの利益を一番にしてほしくない。犠牲者、悲しむ遺族が増えてほしくないというのが本音なので、経営側もしっかりやっていってほしい。世の中には、今回の観光船のように、どちらかといったら“命より利益”というところもまだまだある。そういうところがなくなる世の中になってほしい」(岩上さん)