元金沢市長で金沢市名誉市民の山出保さんが14日亡くなったことが分かりました。93歳でした。
山出さんは1931年、金沢市の旧崎浦村生まれ。金沢大学法文学部を卒業後、1954年に金沢市に入庁。助役を務めていた1990年の市長選で初当選し、その後2010年まで5期20年にわたって市長を務めました。

「伝統と創造」金沢駅の鼓門や21美を整備
山出さんが市長として重きを置いたのが「伝統と創造」。全国に先駆けた景観条例の制定や旧町名の復活、観光客が行き交う金沢駅でひときわ目を引く鼓門など、金沢に残る歴史や文化を保存するだけでなく、革新を加えるのが「山出流」のまちづくりでした。

2004年には世界中から注目を集めた金沢21世紀美術館が開館。「奇跡の美術館」と称された山出市政のシンボルです。

市長を退いた後の2011年には、秋の叙勲で旭日重光章を受章、2013年には金沢市名誉市民を受賞し、2013年から2023年まで石川県中小企業団体中央会の会長を務めていました。

村山市長「金沢の礎築いた」
金沢市の村山卓市長は15日夕方、石川県庁で取材に応じ「金沢のまちづくりの基本、大事にしなければならないことについて山出さんは本当に大きな功績を残された。金沢の礎を築いていただいたのが山出さん。本当に悲しいが、ご冥福をお祈りしたい」と述べました。
関係者によりますと、山出さんは14日、金沢市内で亡くなったということです。葬儀などは親族のみで執り行い、後日「お別れの式」を開催する方向で調整しているということです。