地震の大規模火災で200棟以上が被害を受けた輪島朝市。移転や仮設店舗ではなく元々店があった場所で一日も早い、なりわい再建をめざす人たちもいます。輪島朝市の現状と再建に向けた課題を取材しました。
去年6月から公費解体が始まった輪島朝市。通りに並んでいたテントは、去年7月から「出張」という形で市内の商業施設で営業しています。しかし、その規模は以前の3分の1程度です。

輪島朝市組合・冨水長毅組合長「自宅も再建しつつ加工場もということになれば、個々のレベルでいろんな負担は違ってくると思いますから、それがちょっとまだ足かせになっている部分なのかなという風には思いますね」
店頭に立つ田中さん「珠洲焼です。見ていってください。いかがですか?」
「てんだ商店」の田中宏明さん。

高齢化が進む組合員の中でも、ひときわ若い30代の店主です。今年で創業69年のてんだ商店は、2017年に亡くなった田中さんの祖父・天田由次さんが創業した店で、朝市通りで珠洲焼や輪島塗などの土産物のほか、傘や帽子といった日用雑貨を扱っていました。輪島朝市の代名詞・オレンジのテントも、田中さんの店が卸していた商品です。