四国内で刑が確定した受刑者らを収容する高知刑務所が2日、報道陣向けに施設内を公開しました。矯正施設としての刑務所を正しく知ってもらいたいというのが狙いです。

高知市布師田(ぬのしだ)にある高知刑務所は四国内で罪が確定した、20歳以上で刑期が10年未満の受刑者や、裁判で判決がまだ出ていない未決拘禁者(みけつこうきんしゃ)合わせておよそ190人を収容しています。

このほど信頼を得られる刑務所作りを推進することなどを目的に、2日、施設の内部が報道陣向けに公開されました。

刑務作業を行うこちらの工場では、県産のヒノキを使った木工品や全国の刑務所内で使用されるマスクなどを製作しています。受刑者たちは作業に対する技能や就業態度などに基づき区分される「等工(とうこう)」に応じた報奨金を受け取ることができ、その額は1か月平均で3000円から4000円程度だということです。

受刑者が生活する居室なども公開されました。こちらの共同室は最大6人が生活できるようになっています。夕食後から就寝までの間は余暇時間とされ、受刑者はテレビを見たり新聞を読んだりすることができます。

こちらの大浴場では毎日のシャワー浴に加え週に3日、15分の制限時間内で浴槽に入ることができるということです。

現在、日本では犯罪者の3割が再犯者で、再犯者による犯罪が全体の6割を占めています。刑務所内で受刑者の自立や出所後の社会生活の準備をしっかりとサポートし、再犯率を下げることが犯罪件数の減少に繋がるといえます。

高知刑務所は受刑者の生活や刑務所の実情について、一般の人たちに理解を深めてもらうことで、地域社会の一員として信頼を得るとともに、社会貢献活動に繋げたいとしています。

(高知刑務所 石井弘幸 所長)
「受刑者が出所後に孤立することがないように矯正施設の役割として二度と犯罪を犯さない、繰り返さない、被害者を生み出さないそういった環境を作りたい今後とも職員一丸となって受刑者への働きかけを行いたい」

高知刑務所では来月21日と22日に矯正展が開かれ、一般来場者も刑務作業品の購入や施設の見学ができるということです。