「坂本龍馬に世界を教えた」として知られる、幕末を代表する土佐の絵師、河田小龍(かわた・しょうりょう)が生きた時代を振り返る企画展が高知市で開かれています。

「生誕200年河田小龍展」は、土佐の絵師で教養人としても知られる河田小龍の生涯を知ってもらおうと、県立坂本龍馬記念館、歴史民俗資料館、美術館が連携した企画展で、23日、坂本龍馬記念館で始まりました。

坂本龍馬記念館では、小龍と龍馬の出会いややり取りなどの記録物、また、小龍が描いた図誌などおよそ50点が展示されています。

アメリカから帰国したジョン万次郎の聞き取りをまとめた「漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)」は、小龍が見たジョン万次郎の姿や、万次郎の海外生活の様子などが記されています。小龍が龍馬に、世界を教えるために見せたといわれています。

こちらは、晩年、当時の京都府知事に頼まれて描いたと言われる水路工事の過程を記録した「琵琶湖疎水図誌(びわこそすいずし)」です。

琵琶湖からまちまで繋がる水路の様子が立体的に、繊細なタッチで描かれています。

展示されている資料からは、小龍の優れた画力や周囲への影響力を垣間見ることができます。

(県立坂本龍馬記念館 河村章代 学芸員)
「時代の背景や小龍の人脈を感じていただけるようなものを展示しているので、『あ、小龍って龍馬とかジョン万次郎だけじゃないんだな』って、(小龍が)いろいろな人に教えたり、影響を与えたんだなっていうのを知っていただけたら」

坂本龍馬記念館での企画展は12月15日までです。11月1日からは歴史民俗資料館で、9日からは美術館でも展示が始まります。