「サガン鳥栖」は、1997年に市民クラブとして設立され、「J2」が発足した1999年にJリーグへ入会。2012年にJ1に昇格して以降、国内サッカーのトップリーグ・J1に残り続けています。高知ユナイテッドSCにとっては、“格上の強豪クラブ”です。

攻撃の中心は、ブラジル人FWマルセロ・ヒアン。身長188cmの「高さ」と、空いたスペースに「抜け出す力」を生かし、ここまで16試合に出場して7得点(リーグ6位)。高知のDF陣にとっては“手ごわい選手”です。そのヒアンにパスを送る、MF手塚康平やMF堀米勇輝らを「封じ込める」ことや、「不用意なセットプレーを与えない」ことが、高知の勝利への“鍵”となりそうです。

クラブは今シーズン、J1で4勝10敗2引き分け、勝ち点14で17位と低迷しています。直近の公式戦3試合で勝ちがありませんが、今シーズンJ1で勝利した全ての試合で3点以上をあげていて、警戒すべきは、その「攻撃力」です。

4月28日のHonda FC戦で決勝ゴールを決める高知のFW樋口叶。

一方の「高知ユナイテッドSC」は、2016年に、当時四国リーグに所属していた「アイゴッソ高知」と「高知UトラスターSC」が統合して誕生しました。「Jなし県」高知からの“Jリーグ入り”を目指していて、2020年にJFLに昇格し、今年が5シーズン目。選手は、高知県内の企業でのアルバイトなどをしながら、練習に取り組んでいます。

アルバイトをしながら練習する選手たち。2022年に取材した際、DF中田永一は放課後児童クラブで“先生”としての顔も。

攻撃の中心は、今シーズンここまで5得点(リーグ3位)のFW小林心。さらに、MF樋口叶、FW新谷聖基、FW東家聡樹も今シーズンここまで3得点と、攻撃陣が“どこからでも点を取れる”サッカーを展開。サイドバックのDF吉田知樹や、今シーズン新加入のDF上月翔聖も、前節で得点に絡む活躍を見せています。守備では、今シーズン新加入のGK大杉啓が全試合に出場しリーグ最少タイの7失点と、好守が光っています。

4月28日のHonda FC戦で勝利し、高知はJFL歴代4位タイの“開幕7連勝”を飾る。

クラブは今シーズン、JFL歴代4位タイの“開幕7連勝”でスタートダッシュに成功し、ここまで9勝2敗、勝ち点「27」で首位を独走しています。11試合で20得点・7失点と攻守のバランスがとれていて、前節(9日)のミネベアミツミFC戦では、1-2と負けていた後半43分からの大逆転勝ちを収め、勢いに乗っています。
(鳥栖、高知とも、記録はいずれも11日時点)