この日訪れたのは、高知市にある放課後等デイサービス「スマイルプラス」。

放課後等デイサービスとは、障がいがある子どもたちのための児童福祉施設で6歳から18歳までの小・中・高校生を対象に発達支援を行っています。県内には107施設あり、毎月およそ1500人の子どもたちが利用していて、貴世さんの次男と三男もここに通っていました。子どもたちだけじゃなく、貴世さんにとっても放課後等デイサービスは大きな心の支えとなりました。

(吉村貴世さん)
「(次男の)やらかし度合いがうちひどいので、そのときはいつも池くんがまず最初に子供の話より『お母さんお体大丈夫ですかって?』声かけてくれるんですよ。一言がすごいうれしい。こっちのこともちゃんと考えてくれてるんだなって、目一杯子育てしているのを認めてくれてるなっていうのはすごく感じるので」
(スマイル プラス バウム 池那於人さん)
「とりあえず状況はもう彼のことは知っているので『お母さん大丈夫ですか』につながったのかもしれないですね。かなり参ってたときもあったので」

(吉村貴世さん)
「自分の味方がおるっていうのはすごい大事なことなので、だからこそ今の子供たちの成長があるんで」
スマイルプラスでは、人との関わり方や、ものの見方など一人一人の個性に寄りそった自立訓練や療育を行っています。
(スマイル プラス バウム 池那於人さん)
「こちらがおやつの時間にする手順を視覚化したものになります。ここについているのが要求カード。お子さんたちは要求カードを使って先生に伝えられるようになってます。伝えるのが苦手なお子さんがいるので、要求カードを渡すことによってコミュニケーションを成立させる、そのためにアイテムを使っております」

こちらはリラックスするための空間スヌーズレンルーム。

動く光や水の中を通る気泡で、五感を優しく刺激し、気持ちが落ち着く効果があると言われています。
(スマイル プラス バウム 池那於人さん)
「一番いいのはやっぱりお子さんがこういうことができるようになったとかできるようになったことを保護者の方に伝えたときに『そうなんですか!家ではできたことないのに!』。『じゃあお家でもできるようになったら教えてくださいね』みたいな感じで本当にちょっとしたことなんですけど、そこを保護者の方と喜びを共有できる。ちょっとしんどいときは、一緒にしんどいというか共感するっていうことも大切やし、けどやっぱり一番やりがいを感じるのは、ご家族を巻き込んで一緒に支援できるっていうところが僕的には一番やりがいがあるところかなと思います」
子どもだけでなく、家族とも向き合う、放課後等デイサービス。しかし、「発達障害では利用できない」、「存在を知らない」という保護者もいて、こうした支援に触れる機会がないまま、子育ての悩みから抜け出せない人も少なくないといいます。
(吉村貴世さん)
「自分を追い込んじゃってる方が多いので、周りが敵だと思ってる方がすごく多くて、私もそうでしたけど。どんなに頑張っても言いたい人は言うじゃないですか、『言いたい人には言わせておけばいいよ』とか『周りに味方いっぱいいるよ』って声がけはするようにしています」

「自分の人生も楽しみながら子育てをしようと思って。じゃないともし自分がつらくなったときに、子どものせいにしてしまうなと思ったんですよ。だから自分も楽しんで絶対子どものせいじゃない」