来年の初マラソンで快走するために

昨年のレース後、近藤は今年の初マラソン出場を希望していた。自社ホームページにも「ニューイヤー駅伝区間賞、マラソン2時間8分切り」と目標を載せた。

しかしニューイヤー駅伝は2年目も出場できず、マラソン出場も見送ることになった。チーム内選考を勝ち抜くことができないようでは、出場機会が限られるマラソンでも結果を出せない。
ニューイヤー駅伝のメンバー漏れは、選考レースだった12月の甲佐10マイルで92位と大敗したからだ。ニューイヤー駅伝は付き添いをしながら、優勝したトヨタ自動車の走りを脳裏に刻んだ。

「(最長区間の)2区の太田(智樹。26)さんの区間賞の走りで、トヨタ自動車がしっかり流れをつかみました。自分が2区で戦っていかないと三菱重工の優勝はない、と強く感じました」

その第一歩が今回の全日本実業団ハーフマラソンで、甲佐10マイルの時は少しの不安要素を克服できなかったが、今回は多少の不安があっても結果を出すと自身に誓っている。それに成功すれば1年後にはマラソンに挑戦する。

「最近のマラソンはすごく高速化しています。ハーフ(中間点)も62分前後くらいで通過しますから、今回もう一度60分30秒で走ることで来年のマラソン、それ以降もマラソンで戦っていくときに、自信を持ってスタートラインに立つことができます」

現役3選手が日本代表を経験している三菱重工には、マラソンに挑戦していくパターンがいくつも確立されている。今大会の結果次第で、近藤もそのパターンに乗ることができる。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)