「推奨した責任として患者に寄り添うのは最低限取るべき姿なのでは」

 倉田さんは今、奈良県内の自宅から1時間以上かけて大阪市内のクリニックに通っている。保険適用の治療では効果が上がらず、100%自費での診療を余儀なくされている。救済制度による手当がないため、経済的な負担が大きい。

 (夫 剛史さん)「9660円になりますね」
 (倉田麻比子さん)「たぶん安いほうです。正直、うちは中学生高校生の子どもが2人いるので、私にお金をかけるべきなのか娘にかけるべきなのか、すごく迷っているところで」
15.jpg
 リハビリにも通っているが、1年間の車いす生活で筋力が落ち続けているため、状況は思わしくないという。救済の対象となる保証がない中、それでも患者としての人生は続く。

 (倉田麻比子さん)「ワクチンはきっと効力があるものだから国が推奨していると思うので、その是非についてどうこう言う立場でもありません。でも一定数こういう(症状の)方が出るものだったら、やはり推奨した(国の)責任として患者に寄り添う、見て見ぬフリをしないというのは、最低限取るべき姿なのではないかなとは思います」