“爆買い”と揶揄された戦闘機を運用する意図も

当時の安倍総理が護衛艦「かが」で出迎えたのはトランプ大統領だった。太平洋戦争で史上初めて空母を主力として戦った日米。その首脳が艦上に立った。

トランプ大統領(2019年5月 横須賀基地)
「日本は最近新しいF35ステレス戦闘機105機を買ってくれると発表した」

1機120億円。空母保有の背景には、“爆買い”と揶揄された戦闘機を運用する意図もあったのではないかと囁かれている。成蹊大学の遠藤教授は“空母は移動する基地”であり、確実に専守防衛を崩すと強い危機感を訴える。

成蹊大学 遠藤誠治 教授
「船首防衛は、基本的には“専ら守る”。自分からは攻撃にはいかないということ。(空母は)戦闘機を載せて遠くまで出かけられる。これは空母としかいえない。ドカンと増やした防衛費でお買い物リストができて、説明しないで進めていくのがよくない」

護衛艦の空母化には、今なお制服組の間に根強い反対論が燻っているのも事実だ。海上自衛隊のトップだった古庄幸一元海上幕僚長は当初から反対の立場だった。

古庄幸一 元海上幕僚長
「反対ですね。何のために空母にしたのか分からない。空母の時代じゃない。もう装備じゃない。ハイブリット戦で、情報とか色々な分野を強化する必要がある」

2021年10月3日、「かが」の同型艦「いずも」に、遂にアメリカのF35B垂直離着陸機が着艦した。

成蹊大学 遠藤誠治 教授
「アメリカ軍の飛行機が日本の船に着艦するというのが、普通のことのように行われている。日米一体化の象徴」