「欲しいもの なんで買ってくれないの」

経済的に困っている子どもたちの存在を知って欲しいと訴える声があります。

母親と2人で暮らす高校3年生 えりさん(仮名・18)
「小学校低学年くらいに『苦しいんだな』ってちょっとずつわかってきました。習い事をしている子が増えた時に『通わせられない。ごめんね』って。部活で(学校備品でなく)自分の楽器を持っている友達もいて、『うちは買えない』って言われた時に『あの子は持ってるのにいいな』って」

――友達と遊ぶ時に困ることは?
「誘われた時『ごめんね』って言わないといけないのがちょっと大変です。『お出かけしよう』『ご飯行こう』だと『ごめん用事がある』って別の理由を使うことが多いです」

――お母さんに反発した時は?
「『行きたい所とか欲しい物をなんで買ってくれないの?行かせてくれないの?』って迷惑をかけたことはあります。中学1年生くらいの時に、子どもみたいに」

「諦めてしまいたい時はある」でも「認めてくれるから頑張れる」

高校3年生のえりさん(仮名・18)は今月、大学入試に挑みます。予備校には通っていません。

えりさん(仮名・18)
「予備校自体、すごいお金がかかる。友達が使わなくなった参考書を借りたり、自分なりに工夫しないといけないのは少し大変だと思います。新しいことを始める時に “無理だろうな”って気持ちが先に来ることはあったと思います。全部諦めてしまいたいと思う時はあるので…」

えりさんの母親(パート勤務)
「切なくなってしまいました。こんなに我慢させてたのね、我慢していたのねって。大学に入ってから楽しい生活になってくれたらいいなって、今はそう思うしかないというか、願っています。学費は奨学金。でも足りないので、積み立てていた学資保険と、娘にアルバイトをしてもらう計画です」

――なぜ頑張れる?

えりさん(仮名・18)
「勉強を頑張ってテストでいい点とったり、検定受かった時に母がすごい喜んでくれますし、自分のがんばりを認めてくれる人がいるって気づけたら誰でも頑張れるんじゃないかなと。地域の人とか周りの人が支えてくれる場合もあると思う」