初詣の時や受験前は神様に願掛けする人は多いと思う。しかし、その時に買った御守りがどんどん増えていき、気付けば手元にいくつか溜まってしまっている…。御守りをたくさん持っていると「神様がケンカする」ということを耳にするが、本当なのだろうか。
御守りを複数持っていても神様はケンカしない?御守りマニアに聞いてみた
初詣の際には去年の御守りを神社にお返ししよう…と思っているのに、つい忘れてしまう。気付けば、カバンや財布から交通安全や厄除けなど、同じような御守りがいくつか出てくる。御守りをたくさん持っていると「神様がケンカする」「罰が当たる」などと耳にしたこともあり、何か悪いことが起きては困る…と心配になった。
調べてみると、「複数のお守りを持つことはそれぞれの神様からご加護をいただく意味があり、神さまがケンカすることは決してありませんのでご安心ください」(※1)など、「御守りを複数持っていても神様がケンカすることはない」と記載している神社が多数あった。
伊勢神宮のような有名な神社も「ケンカすることはない」と記載しているのだから大丈夫なのだろうが、もし、何か悪いことが起こった時は、やっぱり神様がケンカしたのだろうかと思ってしまうかもしれない。心配で御守りについて調べていると、ものすごい数の御守りを集めているという「御守りマニア」に行きついた。

林直岳さんは御守りマニアで、去年末までに4500超の御守りを集めたという。本業は企業のロゴやブランディングを手がけるデザイナーだ。
なぜ、そんなに御守りを集めているのか?4500超という多くの神様が自分の手元に集まっていることに不安はないのだろうか…。
御守りを集めて約30年の“御守りマニア” 「いろんな神様を集めるっていうのは楽しい」
ーー御守りを集めようと思ったきっかけはなんですか?
御守りマニア 林直岳さん
「デザイナー学校を卒業する時に、『学校周辺に神社を作ろう』と、友だちと盛り上がったんです。
僕は絵馬、御守り、おみくじなどを作る担当だったのですが、当時は御守りなどに興味がなかったので、リサーチから始めました。調べるうちに御守りにはいろんな種類があって面白いなと。それでいろんな神社を巡るうちにどんどんコレクションが増えていって、快感になっていったんですよね。御守りを集めて約30年になります」
ーー快感ですか…。デザイナーだし、やはりデザインに快感があるのですか?
「デザインが気に入ったものは色違いも含めて全部受けます。ただ、例えば恋愛成就で有名な神社に行ったら、気に入ったデザインの恋愛成就の御守りばかり買うので『どんだけ恋愛に飢えているんだ』って目で見られがちですけどね」
ーー(というか、御守りって一度にたくさん買うものではないのでは…)じゃあ、気に入らないデザインは買わない?
「どんなに気に入らない御守りでも、その神社に行った証として1つは選ぶようにしています。神様を連れて帰る感じです」
ーー神様を連れて帰る!?そんな言い方して大丈夫ですか…
「もちろん畏敬の念も、畏怖の念もあるんですけど、案外フラットな友だち感覚で集めています。今、部屋の中に4550体の御守りがありますが、ある意味4550体の神様が部屋にいらっしゃるっていうことです。もし、目に見えたとしたらギュウギュウ詰めですね。神様の中に僕がお邪魔しているような感覚です」
恋愛成就、学業成就など、それぞれ得意分野を持った神様を集めることが楽しいと林さんは言う。
4550体の神様に囲まれて生活していることを想像すると、かなり圧迫感があるように思うが、林さんはそんなことなど感じていないようだった。