「僕が生き証人です」4500超の御守りを持つマニアだからこその“使命”

ーー「たくさん御守りを持つのはよくないのでは」という人はいませんか?

御守りマニア 林直岳さん
「確かに、よく『神様はケンカしないんですか?』って聞かれます。でも、ほとんどの神様はケンカしないと答えています。約30年間、たくさんの神様に囲まれていますが、いたって健康だし、これを実証している人っていないと思いますよ。今のところ、無事に過ごしている自分が、その証です

ーー確かに、そう言われると説得力があります。

「逆に言うと、僕が変な死に方するとヤバいんですよ。周りからしたら『罰が当たったんだ』ってことになる。だから僕は神社、神様のためにも健康的に長生きしなきゃなって使命があるんですよ」

ーーたくさんの御守りを持っていることで御利益を感じることは?

「神社や神様のためにも、“御守りをたくさん持っているといいことあるんだ”っていう結果を出さなきゃいけない使命もあるんですけど、今のところ、涙が出るような感動する御利益は無かったように思います。これからです、きっと!」

ーーあ、ケンカもなければ、御利益もない…?

「『御守りは効く?』ってこともよく聞かれますね。『効く・効かない』ではなく、そっと寄り添ってくれている感覚ですかね。

商売繁盛の御守りも結構あるんですよ。だから、日本全国のいろんな御守りを受けに行くことができるように、神様にもっと仕事増やして旅費くらい出して!って思うんです。

でも、そんなにうまくはいかなくて、ひたすら労力とお金をかけて集め続けていることに時々、心が折れそうになることもあります。

というのも、御守りマニアは他のマニアとはちょっと違って、コーラの空き瓶やレコードを集めている人は、途中で辞めても人に売却することができる。レコードなんてプレミアもつくじゃないですか。でも、御守りは人が持っていたものをもらってもどうにもならない。しかも、素材だけ見たらただの布。私は一体何をしているのだと感じてしまうこともあるんです。

でも、辞めようかなって思った時に、神様のいたずらか、御守り関連の仕事が来るんです。雑誌に記事書いてくれませんか?とか。そうすると、また集めたり勉強したりして御守りの魅力を感じるんですよね。今ではデザイナーの仕事とも連動し始めて、神社仏閣のブランディングで御守りもデザインさせてもらうこともあります。本業と繋がるなんて思ってなかったので、こう繋がってくると俄然やる気になります!」

ーー御守が効いているのか、考えようによっては逃れられない呪縛なのか、単なる偶然なのか、興味深いですね。

「つまり、信じる人にはとっても価値があるってことだと思いますよ」

(※1)伊勢神宮の「ギモン」と「ふしぎ」はじめての神宮より