2022年、神戸市の病院に勤務する26歳の医師が自殺しました。

原因として浮かび上がってきたのは、過酷な勤務実態です。

医師に何があったのか。真相を追い求める遺族を取材しました。

労基署が調べると…33時間“ぶっ通し”勤務も 朝7時5分→翌日の午後4時51分

2022年5月、甲南医療センターに勤めていた26歳の医師、高島晨伍さんが自殺した。

私たちは遺族に開示されなかった、第三者委員会の調査報告書を入手した。
そこには…

第三者委員会の報告書
「勤務時間は極めて長時間に及ぶに至っており、過労死等を引き起こすとされる危険な水準を超過している。うつ病を発症しており、自死直前には、その程度は、重度とみなされる状態へ悪化していた」

報告書は、タイムカードや電子カルテの履歴などから、晨伍さんは過労死ラインを超える時間外労働をしていたと認定。
診療に追われていたうえ、上司に、学会発表の準備を課され、重度のうつ病を発症し、自殺につながった、などとまとめられていた。

病院から何の説明もない中、家族は、晨伍さんの死について真実が知りたいと労災を申請した。

西宮労働基準監督署は2023年6月、調査報告書と同様に「極度の長時間労働により精神障害を発症し、自殺した」として、労災だと認定した。

労基署が調べた晨伍さんの「労働時間集計表」によると、自殺する前の1か月の時間外労働は、207時間50分。過労死ラインとされる100時間を大きく上回る。

4月20日をみると、朝7時5分に始まり、仕事を終えたのは、32時30分。

つまり翌朝8時半だった。

しかし、翌日21日をみると、そのまま8時半から、午後4時51分まで勤務していて、33時間以上、働き続けていたのだ。

休みなく、100日連続で勤務していたこともわかった。