世界陸連(World Athletics=WA)は15日未明(日本時間)、2025年の世界陸上の開催地が、東京に決定したことを発表した。会場には東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムだった国立競技場が使用される。
東京で開催されるのは1991年以来、34年ぶり2回目。また、日本での開催は2007年の大阪大会に続き18年ぶり3回目で、世界陸上を3回開催する国は日本が初めてとなる。

東京開催を受け会見した日本陸連の尾縣貢会長は「大変に光栄なことでございますが、また大変な責任も感じております」と話した。

開催時期について世界陸連は8月末を希望しているというが「私たちとしては9月の中旬を考えております」と尾縣会長。東京五輪は暑さを考慮し、マラソンと競歩が札幌での開催となったことから「アスリートの安全、よりよい記録を出すためには日本では9月の中旬が最適であるというところから話をしなくてはいけない。ぜひマラソン競歩ともに東京で行って多くの人たちに応援してもらいたい」。日本の考えを伝え、交渉していくとしている。

地元東京での五輪を終えたことで目標を失い、100mの桐生祥秀(26)のように休養を発表している選手もいるが「心身共に追い込んだ状態でありますのでこの1年間は休養にあてていただいて当然」としたうえで「この2025が決定したことで大きな目標ができましたので是非ベテランが引っ張り若手を引き上げていってもらいたい。そして今までで一番強いチームジャパンをつくりあげていただきたいと考えています」と期待を語った。

また、会見に出席した東京都の潮田勉副知事は、開催について「東京都にとっても光栄なこと。日本陸連の皆さまそして、関係者であります東京都が連係して、一緒になって皆様の大会をサポートしていきたい」とコメントした。

16日には新型コロナウイルスの影響で1年延期になっていた世界陸上オレゴン大会が開幕する。3種目に出場する田中希実(22)ら67名の日本選手が10日間の熱戦を繰り広げる。

【世界陸上 過去の開催地】
第 1回(1983) ヘルシンキ(フィンランド)
第 2回(1987) ローマ(イタリア)
第 3回(1991) 東京(日本)
第 4回(1993) シュツットガルト(ドイツ)
第 5回(1995) イエテボリ(スウェーデン)
第 6回(1997) アテネ(ギリシャ)
第 7回(1999) セビリア(スペイン)
第 8回(2001) エドモントン(カナダ)
第 9回(2003) パリ(フランス)
第10回(2005) ヘルシンキ(フィンランド)
第11回(2007) 大阪(日本)
第12回(2009) ベルリン(ドイツ)
第13回(2011) テグ(韓国)
第14回(2013) モスクワ(ロシア)
第15回(2015) 北京(中国)
第16回(2017) ロンドン(イギリス)
第17回(2019) ドーハ(カタール)
第18回(2022) オレゴン(アメリカ)
第19回(2023) ブダペスト(ハンガリー)
第20回(2025) 東京(日本)


(写真は左から日本陸連の尾縣貢会長、東京都の潮田勉副知事)