6月の消費者物価指数が、前年比で9.1%プラスと、約40年ぶりの高い伸びとなった
アメリカ。ただ、入社1年目で年収が約1400万に達するなど“賃上げ”も加速しています。一方、円安で、物価高が進む日本はどうなるのか?専門家に話を聞きました。
■止まらない米国の物価上昇、40年ぶり高水準に

山形純菜キャスター:
アメリカでは物価の高騰がかなり深刻になっているということなんです。消費者物価指数を見ていきますと、前年比で9.1%上昇。これは40年7ヶ月ぶりの高水準だということなんですね。では一方で日本はどうなのか見ていきますと、消費者物価指数2022年5月、2021年の同じ月に比べて2.5%上昇。
日本でも「値上げ値上げ」と言われていますが、このアメリカの9.1%に比べるとまだ抑えられているのかなと思いますね。2022年4月にアメリカに渡った40代の主婦は「全てがびっくりするほど高い生活とともに貯金が流れていく感覚だ」と話しています。
井上貴博キャスター:
この消費者物価指数も含めて先々がまったく見通せない、どこまで上がっていくのか。
獨協大学経済学部 森永卓郎教授:
これだけ物価が上がるとものすごく金利を引き上げて金融を引き締めるしかない。その結果、どこかってのは正確には言えないんですけれども、私は年内ぐらいで今起こっている石油とか、金銀銅、株もありとあらゆるものがバブルの状態にあるんですが、もうはじけ始めてるんです。私はこの物価高に苦しむのは、あと半年ぐらいが限度かなと見ています。
ホラン千秋キャスター:
金利が上がって金融引き締めをするとどうしてこう物価が落ち着いていくんでしょう。
森永教授:
今まで金利がゼロだったんで金融取引をする人はコストゼロで、博打を打てたわけです。それが金利が上がっちゃうと、高い金利を払って、投機をしなきゃいけないのでビジネスが成り立たなくなっちゃう。ものすごく大きな反動が来ると思います。
■たまご1パック 400円以上 米在住者“物価高”に悲鳴

山形キャスター:
物価高のアメリカはどういった生活なのか、実際に2022年4月からワシントンD.C在住の女性にお話を伺いました。
▼食品・日用品
牛乳 1.9L=5.8ドル(約800円)
卵 10個入り=2.99ドル(約412円)
200枚組 2枚重ねのティッシュ一箱=2.99ドル(約412円)
▼外食
博物館のランチ=18.48ドル(約2550円)
(水・ビーツサラダ・マカロニ&チーズ・コールスロー)
タピオカドリンク=9ドル(約1240円)
山形キャスター:
博物館のランチなんですが、500mlの水1本で日本円にして550円ほど。TBSのアナウンスセンターの自販機だと90円ぐらいで買えるので、もうそれを考えるとかなり高いことがわかりますね。日本だとタピオカドリンクは、アメリカの約1240円の半額ぐらいで買えますから、物価が高いことがわかりますね。
2022年4月からワシントンD.C.近郊在住の40代主婦
「生活費は日本にいたときの3倍弱。必要な買い物も頭の中で、つい円に換算してためらってしまう。毎日『高っ!』とつぶやいています」
■球場のビール1杯1800円 夏の海外旅行に暗雲

山形キャスター:
また旅行にも物価高の影響が出ています。航空・旅行アナリスト鳥海高太郎さんの2022年4月の3泊5日のロサンゼルス旅行を見ていきます。
▼エンゼルス野球観戦
ビール=15ドル(約1800円)
ナチョスなどのおつまみ=18.5ドル(約2200円)
▼ワイナリーでランチ
ピザ=23ドル(約2760円)
ステーキ=40ドル(約4800円)
山形キャスター:
ランチ1人1万円程度したということです。鳥海さんは「どこへ行っても酔いが覚めるような価格。移動費・ホテル代も値上がりし、旅行費は3泊5日で想定の3、4割高い料金だった」と話しています。
ホランキャスター:
外食するとそこにチップもさらに加算されますよね。
山形キャスター:
さらに、こんなところにも影響がでそうです。日本から北米の「燃油サーチャージ」が値上がりです。
▼JAL 日本から北米の「燃油サーチャージ」
2019年8月~9月発券 1万4000円
2022年8月~9月発券 4万7000円
▼ANA 日本から北米の「燃油サーチャージ」
2019年8月~9月発券 8500円
2022年8月~9月発券 4万9000円
山形キャスター:
ちょっとコロナが落ち着いて、アメリカに旅行に行きたいって考えてた方もいらっしゃると思うんですが、これを見るとためらってしまうのかなという感じですね。
井上キャスター:
日本の2倍から3倍の物価になっている。でも、日系企業の駐在員は別に給与がそんなに変わってないので、本当に大変みたいです。
森永教授:
今アメリカ行きたくないですよね。